ツバキの花びらでジャムをつくる。

久賀島はツバキがたくさんある。

久賀島はツバキがたくさん植えられています。学名「カメリアジャポニカ」と書いてあります。ジャモニカと書いてあるだけあり日本原産の照葉樹。紅葉しない。冬でも落葉しない。温帯の常緑広葉樹の一種です。そして冬に花が咲く。花が花であるままポトリと落花。ツバキは桜とともに実に象徴的な日本の花ですね。久賀島に繁茂するのはヤブツバキ。搾油されたツバキ油は五島列島の特産です。歴史を紐解くと唐へ遣唐使が派遣されていた頃に、日本からの貢物の一つに椿油が入っていました。古文書には「海柘榴油」と書かれ、これが椿油であると思われ、大変珍重されていたようです。日本各地の市でも販売され、生産・流通が盛んであったことがうかがえます。

古代出雲薬草探究会

先日、友人のフェイスブックを見ていたら、ツバキの花びらでジャムを作っている。花びらでジャムができるのでしょうか。バラの花びらでジャムを作るのは聞いたことがありますが、ツバキははじめて。へえーツバキの花びら食べられるんだと思い作り方を教えていただきました。教えていただいたのは古代出雲薬草探究会の須田ひとみさん。ツバキは、「出雲風土記」に記載されていると須田さん。「出雲国風土記」には、出雲に自生していた草木100以上が記され、そのうち薬草が90種類を占めています。それらの植物は特別に栽培されるものではなく現在においても身近にあるものがほとんど。でも日常の中で薬草への知識や使用方法などを教えてもらう機会は少なくなってきました。そこで古代出雲薬草探究会を創設し、「出雲国風土記」に記載される植物をテーマに、季節毎に活発にお茶会やワークショップ、講演会などを行っているとのことです。久賀島にはヤブツバキがたくさん咲きとてもきれいだけど、冬に訪れる観光客は少ないです。冬にジャムを作り、満開のツバキの花びらの余韻をお伝えできるといいですね。観光シーズンに販売しましょう。

古代出雲薬草探究会 https://peraichi.com/landing_pages/view/izumoyakuso

ツバキの花びらジャムのレシピ

 

・    花びらと砂糖をなべに入れこげないように混ぜながら中火で煮る。水が花びらから出るが、少ない場合は足してもよい。5分ほどにて花びらがしんなりしたらレモン汁を加えて味を調整する。

・    ツバキの花びら50g きび糖50g(ツバキと砂糖は同量) レモン汁数滴

 

黒須久美子さんから情報いただきました椿の花弁の塩漬け、椿塩、花弁ジャムを過去に作って販売しました。椿はあまり香りがなく、灰汁が少しある為、苦味が若干出ます。灰汁抜きが必要ですが、桜の様に香りがあるわけではないため、独特の香りがある美味しいジャムにはならずやめてしまいました。塩漬けはしばらく商品にしていました。塩抜きして酢の物に混ぜたり、ケーキの飾りにできます。花弁は天ぷらにもできるそうです。落ち椿を利用すれば種がならないという心配はありませんが、落ち椿にはアリがすぐに来るので、朝一番に集め、おしべを取り除き、花弁を洗い乾かし…と結構大変です。塩漬けにすると塩がピンク色に染まる為、その塩も椿塩として過去2年ほど販売していました。

writer : 「久賀島Life」編集長 斉藤俊幸