久賀島の孫世代に話を聞いた。

価値を共有する世代の幅は薄いのではないか。

時代を共有する世代の幅は薄い。60代の私は1970年代にヒットした五輪真弓(お父さんが久賀島出身)の「少女」という歌が好きだったが、もう50年近くも前の話で私の周りでその歌手を知っている人さえ少ない。ユーミン(奈留島に歌碑)は知っているけどちょっとなあとも言われてしまう。

70年代の高度経済成長を支えてきた団塊の世代の人たちはすでに70代。地方から上京し大学を卒業し大企業に就職した方から話を聞いたところ、この世代は「鉄は国家なり」と言われ当時の大蔵省入省を蹴って重厚長大企業に就職した人もいたとのことだ。世代が共有する価値で進路を決めてきた。現代はITベンチャーへの就職とかAI技術者になるとかがもてはやされているが、50年後もこの価値は残っているだろうか。それだけ共通世代の幅は薄く、世代の価値は逆転する。

関係人口とはなにか。

新しい世代が動き出している。ソトコト編集長指出一正氏の関係人口に関する講演を聞いた。2次情報、3次情報の記事、ニュースソースから離れて自分の考えから始めるレッスンをしよう。スマホから発信される情報だけを鵜呑みして判断してはダメだ。地域の現場に行こう。自分のまちのよさを見つけられる若者が生まれている。関係人口とは第3の人口だ。観光以上移住未満。知り合いがいて、好きになってくれて、プロジェクトを一緒にやってくれるような関係。関係人口とは彼ら彼女たちが、「私にとって掛替えのない地域が見つかりました」と言ってくれる関係をいうと指出さんは話す。

指出さんは関係人口は定住に結び付かないとも話している。薄いレイヤー(世代)。地域づくりの文脈がわかる若い人が増えている。東京的な若者がなぜこんな中山間地域にいるのか。だって東京よりこちらの方が、ファンタジーが多いじゃない。日常を逸脱した本業のリアルを感じるじゃない。東京にいれば若者はいつ辞めてもいいと言われる代替可能な存在だ。しかし田舎はそんな若者の相談に乗ってくれる場所であり話を聞いてくれる人がいる。若者は関わりしろを求めている。地域は出番と居場所を用意することが大切だ。大きな傷を負ったまちに関係人口は生まれている。

ニュースソースから離れて自分の考えから始めるレッスンをしよう(写真はイメージ:奈留島)

総務省の関係人口の分類

総務省は関係人口を行き来する者「風の人」、何らかの関りがある者(過去の勤務や居住、滞在等)、地域内にルーツがある者(近居)、地域内にルーツがある者(遠居)の4つに分類している。久賀島の関係人口とは何か。最初の第一歩として地域内にルーツがある者(遠居)を追いかけることにした。東京に住む久賀島にルーツを持つ若者の意見を聞こうと会議を持った。

出典:総務省

東京在住の久賀島出身者の子どもたち

久賀島出身東京在住の50代の子どもたちを同級生伝いに面会した。そして彼らの子どもたちはすでに20代になる。彼ら孫たちは久賀島についてどう思っているのだろうか。4人の久賀島にルーツを持つ孫たちは、東京生まれ、大阪生まれ、福岡生まれ。東京一極集中を如実に表すように江戸弁、関西弁、博多弁で話し合う。お店で働く従業員。ゲームのクライアントエンジニア、コンサルタント会社に勤める会社員、来年はアメリカへ留学する観光を勉強する大学生の4人の会議。彼らはこう話している。

久賀島は自然が広がっていて落ち着く。久賀島でしか経験できないことがある。久賀島を誇りに思っている。興味がある。台風が来ると心配になる。

世界遺産になった久賀島。行ったことがない人たちにたくさん来てもらいたい。観光スポットでもできないものか。

海がすごくキレイで空気がおいしかった。教会があることに歴史を感じた。歴史をもっと知ってもらいたいな。

久賀島の置かれている現状はどうしようもない。限界にきている。行くと楽しさあるけど久賀島に親戚がいる人たち以外、久賀島の楽しさがわかってもらえる人が少ないのではないか。そう簡単に復活ビジョンが見えない。マジでやべぇー。どうにかなんねぇーのか。

君たちはみんな会社に入ったばかり。またはこれから就職する人もいるけど、ずっとその会社に60歳までいるとは限らない。きっと人生の中で、大変な時は何度も来るヨ。後ろに下がれないときがあるよ。そんなときに久賀島というルーツが、生きるヒントを与えてくれると思うよ。君たちラッキーだよ!また会う機会を作るので今度は久賀島で会おう。(斉藤)

久賀島出身の親を持つ東京在住の若者たちから話を聞いた。

20代、30代の久賀島出身者の方、久賀島出身の方の20代、30代お子さんがいらっしゃる方、どうか連絡ください。若者たちで久賀島のこれからを考える作戦会議しましょう。

https://hisakajima.life/contact

 

writer : 「久賀島Life」編集長 斉藤俊幸