久賀島ファーム

久賀島ファームは、平成26年2月に設立された任意グループです。創設時のメンバーは39人でしたが、現在は19人と減少。久賀島の地域資源を特産品や観光資源として活用し、将来的に島民が主体となって「暮らせるしまづくり」を進めていくための基盤をつくることを目的に設立されました。五島市からの委託で久賀島観光交流拠点センターの管理運営を平成30年4月から行っています。久賀島ファームの会長をしている稲田さんと同センターの調理を担当する赤松さん、地域おこし協力隊で久賀島ファームを支援し、その後協力隊の任期を終えた後も久賀島に定住し活動する頴川(えがわ)さんの3名にお話を伺いました。

担い手がいない

300人の島で水産加工や農産加工の担い手が少なくなってきています。生産者は農産物、魚介類を久賀島ファームに卸してくれません。加工もお願いしないとやってくれません。売らんでもいいと言われてしまいます。生産者は高齢化し、人数が少なくなっているのが要因です。どこも人口減少、高齢化、後継者不足であえいでいます。農産物や魚介類を加工するのは、もう無理ではないでしょうか。歯止めが利きません。平戸の春日集落はボランティアが4~5人常駐していると聞きます。こうした地域外の人たちの助けがあり、やっと回るような状態です。

みんなからは要らんことするなと言われます。40代の住民はいますが子育てで手一杯。いろんなことができません。水産資源はいっぱいありますが採りにゆかないです。欲がないというのか、駆除とかの名目で日当を払えば島民は来ますが、それ以外はやらないですね。魚介類は禁漁の時期があり、その期間に日当払いのしごとができたら1年間つながります。しごとの通年化を何とかならないものかと思案しています。畜産の方たちは精力的に働いています。休みがないので大変ですが、本業で食えています。毎日の仕事があることが大切だと思います。

久賀島観光交流拠点センター

久賀島の集落は世界遺産登録されましたが、観光客は爆発的に増えていません。教会を通過するだけです。島にお金が落ちる工夫ができないものかと思います。観光客の昼食を作っています。おいしいと評判です。ウニがたくさん採れます。ウニの商品は人気で完売が続いています。今、ウニ醤油の開発をしています。本格的にできないものかと思っています。

久賀島観光交流拠点センター

魚介類をふんだんに使った昼食は評判

久賀島ファームの法人化

久賀島ファームを地域おこし協力隊としてサポートしてくれていた頴川君が退任後も久賀島に残り、ファームを手伝ってくれています。久賀島観光交流拠点センターの仕事を市役所から受けて働いています。これからも久賀島に住んでくれます。久賀島ファームはこれから法人化が必要です。頴川君が久賀島ファームで独立してもらいたい。これと言って仕事がない久賀島。商品販売がうまくいっていない久賀島ファームだけれど彼を応援します。

頴川駿介さん

人気の塩うに

writer : 「久賀島Life」編集長 斉藤俊幸