まずは仕事の立て直しが重要だ。

久賀島町内会連合会会長の小島満さん

小島満さん(67歳)さんは地域の会議でも、冷静に、また論理的に会議を進めることができる久賀島のリーダー的存在の方です。久賀島地区町内会連合会会長の小島さんに今後の久賀島について話を伺いました。

子供を育てているときは、時化の時も漁に出た。

まちづくり協議会会長を辞めたばかりだ。今は久賀島地区町内会連合会会長と民生委員を務めている。久賀島で生まれた。小学校と中学校に行ったが高校へは行かず漁師となった。刺し網漁をしており、海底もの全般を獲っている。海底ものとは、イシダイ、イセエビ、クロ、カワハギ、カサゴなどのことだ。獲った魚は福江島の魚市に、自分の船で持ってゆく。昔は父と弟と私の3人で漁に出た。船は5トン未満の小さな船だ。子供を育てているときは、時化(しけ)の時も漁に出た。今は夫婦だけの生活となり、潮時のいい時期にだけ漁に出る。1か月に15日も出ないな。(息子さん2人は慶応大学と九州大学を卒業し、大企業に就職)息子たちは久賀島に戻ってこないだろうなー。

久賀島の人口は250人ぐらいではないか。

今、久賀島の人口は300人と言われているが、高齢者は住民票を置いたまま、子どもに引き取られており、実質250人くらいではないか。久賀島ばかりではない。五島列島の各地で親を引取り、実質的な人口は少ないのではないか。でも人口が減って大変だという実感はない。ただ人口が減り、市の出張所や警察の駐在所、診療所、郵便局という公共機関がなくなると人口減少は切実な問題となる。

久賀診療所

移住者は短期間でもいいからいてほしい。

移住者に1年中いてくれとは言わないけれど3か月、6か月と定住してもらえるとありがたい。久賀島には仕事が少ないが、何とか仕事が作れないものか。入ってきてもらえば活気がでる。地域おこし協力隊はたとえ少人数であっても地域に入ってもらうことが大切だ。短期間でもいい。

島留学

島留学はうまくいっている。家族留学で3人の子どもを育てている母親がいる。子供たちが変わった。住民も母親も喜んでいる。都会には不登校の子どもたちを抱えた家族がたくさんいると聞く。仕事さえあれば、収入が下がったとしてもいい生き方ができる。

家族留学で久賀島にやってきました。(再掲)

https://hisakajima.life/archives/744

五島市立久賀小中学校

仕事がないから外に出る。

漁協はあるけど漁師がいない。いない!人手が足りない。農業も危うい。いい仕事を選ぶことがこの島ではできないが、だれか来てほしい。公共が仕事を考えたら失敗するだろう。民間が仕事を起こすことが必要だ。五島市の2次離島。本島である福江島から同じような距離にある奈留島と久賀島。奈留島(奈留町)は平成の合併で五島市となったが、久賀島は昭和の合併で、当時の福江市に合併した。この60年間の合併の時間差は大きい。奈留島はひとつの自治体として活気があった。奈留島に比べ、久賀島には仕事がなかった。だから人口減少が急激に進んでしまった。まずは仕事の立て直しが重要だ。

久賀島周辺を航行する漁船

writer : 小島満