オレは一人前の定置網漁師になる

片山征治郎さん(27)

離島の定置網漁は時間が勝負

片山さんは、長崎県立長崎鶴洋高校の水産学科を卒業し、下関にある水産大学校で4年間、水産の勉強をしました。長崎魚市に就職し、4年近く勤務し、去年の4月に久賀島に帰ってきました。定置網漁は福江魚市が休みの土曜のみが休み。海が荒れない限り、毎日、海に出ています。おおむね200日は海に出ていることになります。お話を聞きました。

出航は午前6時で午前9時には港に戻ってきます。午前11時には福江魚市に魚を届けないといけないため、箱詰めなどの仕事を船上で行い、急いで魚市に運びます。遅れることは許されません。2次離島は運ぶ時間がとられるため、定置網漁にとっては不利と思います。午前10時に仕事は終了します。とうちゃんが社長で従業員は私を含め4人です。

中学3年の夏休みに漁師になろうと決めた

中学の進路決定時期に、国見高校でサッカーしたいと先生に言ったら3年間球拾いだぞと言われました。もう少し現実的に考えようとその時思いました。中学3年の夏休みに初めて船に乗らせてもらい、漁師をやろうと決めました。都会に出て働こうとは思わなかったです。オレが帰って来なかったら家の仕事は終わる。それはもったいないのではないかと考えました。3代目として頑張るつもりです。まだ、漁師になりたてです。まずはとうちゃんがやっている仕事を覚えることが大前提です。今は全然前が見えていません。どんな学校を出ようとも、現場はやっぱ違う。オレは定置網の一人前の漁師になる。

福江魚市へと向かう高速艇久賀丸(左)

高速艇久賀丸を見送る定置網船久賀丸

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writer : 「久賀島Life」編集長 斉藤俊幸