感動!久賀島の天使に出会いました。

まずは、自分の事をお伝えします。

女優と書いて、じゆうと読みます。と自己紹介の決まり文句にしているわたくし、和泉妃夏(いずみひな)は、両親が長崎県五島列島の福江島で生まれ育ち、私は東京で育ちましたが、年に1度、中学生までは家族で五島に遊びに行っていました。五島に眠る2人のお墓と家と父の遺言を守るために2年前からちょくちょく五島に戻るようになりました。

傷ついた魂が一瞬の奇跡で回復する場所を作りたい。

東京では、テレビ、映画、舞台、落語をしたり、即興パフォーマンスをしたり、マルチに活動していますが、マルチの中に私の共通点があります。私の人生の薬は、演劇です。演劇に救われたので、演劇を通して、人にも自分と同じ気持ちを伝えたい思いがあり、いつも自分が企画するものには共通するテーマがあります。

私は、五島に小さなこだわりの劇場を作りたいと思っています。こだわりの内容は話せば長いので控えますが、一言でいうと、傷ついた魂が一瞬の奇跡で回復する場所を作りたいのです。名前はファッピーランド。今年8月に株式会社を立ち上げ、今、それに向かって活動しています。

まずは、五島に出来ることと、皆さんを知る為に、老人ホームや施設を、ボランティアパフォーマンスをして回っていました。50カ所以上あり、1軒ずつ許可を取りながら回るのはとても困難でしたが、ご理解ある場所は、すぐに受け入れてくださりどんなにお礼を言っていいか、こちらの方が感謝と感動をいっぱいいただきました!また、そんな中で人の痛みやご苦労なども沢山知ることが出来ました。小さな島で利用者がこんなにもいることも考えさせられました。私は、創る劇場へは船でお迎えしたいのです。それで、去年、一級船舶免許を取り、今度は海上タクシーの免許も持ちたいと思い、漁師さんや船の操船師の方に、運転をさせてもらっていました。久賀島にも2度ほど訪れました。福江島から30分くらいで久賀島です。

見えない世界は限りなくあるんだなと

海に浮かぶ教会。それはとても心惹きつけられました。そして、もう一つ、お墓を見ました。幼児のお墓もありました。何で、命まで落としても信じ抜くのかー。はっとしました!これは、このお墓は、今を生きる私たちに大切なことを知らせてくれているんだ。携帯やネットが普及してどんどん便利になり、仕事も早くなり、それに追われて見えなくなっていることがある。

その後に、喋ることが出来ない娘の言葉を指談という方法で聞いてるお母さんに会い、なんてなんて美しいのだろうーと思い、久賀島で見たお墓とリンクしました。人は、98パーセントは見えていないという話を聞き、考えてみれば見えない世界は限りなくあるんだなと感じました。

演劇は、見えない世界を想像する世界です。悪役でも上部だけ、台本に書かれているだけの世界ではなく、背景や描かれていない前後の歴史を想像して、役を作り上げていきます。私は、世の中でもっとも美しい想像力で満ち溢れた夢の場所を作り、一瞬の奇跡を起こして、傷ついてやまない魂に光と感動を与える場所は、見えないものを命がけで守り抜いた魂が沢山眠る、この五島しかない。と、感じました。

そして、その夢を実現させるために動いている時に、久賀島の黒須さんという方にお会いする機会がありました。ちょうど海上タクシーの松男さんという方は、久賀島出身で、黒須さんのこともよくご存知で、朝6時に無理を行って船の運転を教わりながら久賀島に向かいました。

海上タクシーの松男さん

黒須さんはクロス、十字ですね。まさに、天使さんでした。五輪教会とお墓しか見たことのない初対面の私を車であちこち案内していただきました。300人いない久賀島に唯一、一軒の食品などのマーケットを作り、旦那様は診療所をー。

また、タンザニア在住していた時のアフリカの木彫りのお人形や家具などを展示した博物館まで手がけられ、村に貢献した素晴らしいご夫婦。ご主人が二頭のヤギを連れて、素敵な笑顔で挨拶され、なんだか、夢の国に来たような感覚になりました。また、そこから、折紙展望台へ連れていってもらったのが、感謝感激、私の心を揺り動かしてくれました。お年寄りが多いから、千羽鶴などを飾った展望台なのかなと勝手に想像して、行ってみたら、折紙とは、神が降りる聖地、で折紙と名付けられ、その景色の美しさは心奪われました。そして何より感動したのは、その場所は、政府の支援や援助を使わずに、村の方々で作り上げ、そして、年に4回、草むしりの会を設けながら、その場所を守り、発展させているとのこと。その話は心に沁み、ちょうど朝日が昇り始めた朝8時。黒須さんが入れてくださった香りたつコーヒーを飲みながら、まだ顔も見たこともない久賀島の方々が大好きになりました。形は違えど、私も目指すものはそこにあります。

 

黒須久美子さん(左)と私

競争ではなく、損得ではなく、小さな悲しみを大きな思いやりで助け合う感動を作りたい。私は、久賀島から大切なことを教えていただきました。

折り紙展望台

朝日に輝く折り紙展望台からの展望

writer :いずみひな(女優)