落椿踏みつつ来れば海近し

坂谷善衛さんは久賀島蕨町出身。76歳だ。親が行けと言うので、長崎市の中学校に進学。下宿先で赤堂鈴之助や千葉周作の漫画本を読みふけ、成績は良くなかった。勉強するために長崎市にやってきたのにオヤジを怒らせてしまった。県立高校には行けずに長崎県内の私立高校に進学。ここにいた先生が、これから時代が変わるから長崎県内の大学卒業をしてもしょうがない、東京の大学を目指せと言われ東京の大学に進学。学生時代に1964年の東京オリンピックが開催され、大学の近所でバレーボール女子の決勝戦が開催された。日本対ソ連の決勝戦のチケットが手に入らず、チケット売り場に3日前から学生4人でマージャン卓を持ち込み並んだ。この様子が映画ニュースに映し出され、オヤジをまた怒らせてしまった。バカ息子だったな。その後、長崎県にUターンし就職したが長くはもたず、いろいろな職業を転々とした。ああ、バカ息子!でも市議会議員もやったよ。農業も漁業もやったよ。好きに書いていいよ。

数年前に若い人がいない、宅急便を配達してくれないかと運送会社に頼まれやっている。1日、10箱か20箱を車に積んで運んでいる。ライフラインを支えているという自負がある。だから、この仕事で久賀島のためにお役に立ちたいと思っている。久賀島は椿油生産が日本一になったことがある。この油を搾って販売もしている。我が人生に悔いはないな。斉藤さん、椿を見に行こう。つばきは艶(つや)の葉と木が語源だ。宅急便はあと少しで配達が終わるので、その車に乗って行こう。

坂谷善衛さんは宅急便の仕事をしている。

坂谷善衛さんに連れて行っていただいたのは亀河原のツバキ林。久賀島では、ツバキ油の生産を増加させていくため、ヤブツバキを大事に保護してきました。いたるところにヤブツバキが自生しています。亀河原のツバキ林ではツバキが海に向かい繁茂しています。もうすぐするとツバキの花が満開になるよ。ここに花が咲き始めているよ。

坂谷善衛さん

 

ツバキが咲き始めているよ。

山の斜面は一面のヤブツバキ

writer : 「久賀島Life」編集長 斉藤俊幸